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2026年6月2日火曜日

ダイサギとチュウサギの見分け方:識別ポイントまとめ【観察写真記録】

代掻き中の田んぼに現れたダイサギとチュウサギ。2026年4月14日撮影
チュウサギ:1番左
ダイサギ:右側3羽


はじめに



田んぼや湿地などで見かける白いサギたち。その中でもダイサギチュウサギは識別ポイントを知らないと区別ができないほど似ています。

サギはよく首を縮める姿勢をとるため、サイズが逆転して見えることも珍しくありません。見た目の大きさだけで判断せず、細部の特徴と合わせて識別することが重要です。

本記事では実際の観察をもとに両者を見分けるためのポイントを整理しました。

代掻き中の田んぼに現れたダイサギとチュウサギの写真。2026年4月14日撮影
左:チュウサギ
右:ダイサギ  

田んぼに現れた婚姻色のダイサギとチュウサギ2026年5月3日撮影
左:ダイサギ 
右:チュウサギ



ダイサギ(Great Egret)


シラサギの中で最も大きな種です。


分類



目:ペリカン目
科:サギ科
属:アオサギ属
種:ダイサギ


特徴と識別ポイント



外見上の主な識別点は口の切れ込み(口角)の位置です。ダイサギは口角が目の後ろまで深く食い込むのが大きな特徴です。

嘴(くちばし)の色は非繁殖期は黄色ですが、繁殖期には全体が黒色に変化し、目先がエメラルドグリーンになります。

3月8日に撮った田んぼで採餌中のダイサギの写真。この時期のダイサギは**冬羽(非繁殖羽)**の状態にあり、嘴は黄色く、脚の大部分が肌色〜ピンク褐色を帯びているのが特徴です。これは、日本で繁殖するチュウダイサギには見られない、冬鳥として渡来する亜種ダイサギ(オオダイサギ)ならではの冬の色彩です。2026年3月8日撮影
非繁殖期

田んぼに現れたダイサギとコサギの写真。2026年1月26日撮影
ダイサギとコサギ

繁殖羽として現れる飾り羽は背中(肩羽)のみに見られ、チュウサギやコサギとは異なり胸に飾り羽が現れることはありません。

代掻き中の田んぼに現れた婚姻色のダイサギ。4月19日撮影
繁殖期(婚姻色)
ダイサギ



チュウサギ(Intermediate Egret)


シラサギの中では中型で、ダイサギと比較すると一回り小ぶりな体格をしています。


分類



目:ペリカン目
科:サギ科
属:アオサギ属
種:チュウサギ


特徴と識別ポイント



外見上の最も重要な識別点は、口の切れ込み(口角)の位置で、目の真下付近で止まっており、目の後ろまで深く入り込むことはありません。

婚姻色のチュウサギ、口の切れ込み位置がよくわかる写真2026年6月2日撮影

また、ダイサギに比べると首の長さが抑えられたシルエットに見えるのが特徴です。

代掻き中の田んぼに現れたチュウサギ2羽の写真。2026年4月19日撮影
チュウサギ2羽

代掻き中の田んぼに現れたチュウサギの観察写真。2026年4月19日撮影

田んぼに現れた婚姻色のチュウサギ2026年4月26日撮影
婚姻色

嘴(くちばし)の色は非繁殖期は黄色ですが、繁殖期には黒色に変化し、目先は黄色くなります

また、繁殖期におけるダイサギとの決定的な違いは、飾り羽に現れます。 飾り羽は背中だけでなく胸にも現れます

婚姻色・繁殖羽のチュウサギ2026年6月2日撮影



季節による出現の違い


季節は識別の重要なヒントになります。

・ダイサギ(夏鳥と冬鳥)
一年を通して見られますが、季節によって入れ替わります。春から秋は南から「亜種チュウダイサギ」、冬は北から「亜種ダイサギ(旧称:亜種オオダイサギ)」が渡来します。


 ・チュウサギ(夏鳥)
九州以北の多くの地域では4月頃から見られ始め、秋に南へ渡ります。九州や四国、南西諸島など温暖な地域では越冬個体が確認されています。

地域によっては冬でもチュウサギがいる可能性があるため、サイズや口角の切れ込み等で識別する必要があります。

代掻き中の田んぼに現れたアオサギとチュウサギ。2026年4月19日撮影
左:アオサギ 
右:チュウサギ

代掻き中の田んぼに現れた婚姻色のダイサギ、コサギ、チュウサギ(手前から)2026年4月17日撮影
・一番手前:ダイサギ
・二番目:コサギ   
・一番奥:チュウサギ



婚姻色にならない個体の存在


4月の代掻きの時期に多くのダイサギが黒い嘴とエメラルドグリーンの目元という婚姻色に変化しますが、中には嘴が黄色のままの個体が混じることがあります。これには2つの可能性があります。


 1. 亜種ダイサギ(旧称:オオダイサギ)

冬鳥として渡来するグループです。5月中旬頃まで日本に留まる個体がいます。日本ではほとんど繁殖しないため、この時期でも嘴が黄色のままの個体と、婚姻色に変化した個体の両方見かけます。

見分けるポイントは、脚の中央にある関節とその上部の色です。この関節から上の部分が黄色や桃色を帯びていれば、この亜種の可能性が高いです。


 2. 亜種チュウダイサギの非繁殖個体 

日本で繁殖するグループですが、若鳥などは嘴が黒くならないことがあります。こちらは足が付け根まで真っ黒なのが特徴です。

見分けるには脚の色やサイズ感が重要になりますが、こちらの記事で詳しく解説しています。

代掻き中の田んぼに現れたダイサギ(非婚姻色)2026年4月19日撮影
婚姻色ではないダイサギ



おわりに



4月に入り、夏鳥であるチュウサギやアマサギが加わり、ダイサギやコサギも美しい婚姻色を見せる、サギたちの一番華やかな季節がやってきました。

田園を彩る彼らの装いの変化は、この時期ならではの楽しみです。

田んぼに現れたチュウダイサギとチュウサギ2026年5月3日撮影
左:ダイサギ 
右:チュウサギ

代掻きの田んぼに集まったアマサギとダイサギ。2026年4月14日撮影
代掻きに集まったサギたち
アマサギとダイサギ

2026年6月2日撮影
アオサギとチュウサギ