田んぼや電線でよく見かけるハクセキレイ。観察していると背中が黒い個体とグレーの個体がいます。
同じ鳥なのに見た目が違うことが気になり調べてみたのですが、そのことを専門的に解説しているサイトは残念ながら見つかりませんでした。
日本の研究機関の記事はいずれもリンク切れで直接確認できませんでしたが、AIが収集した研究機関(山階鳥類研究所など)の知見に基づくと、この色の違いは主に次の「3つの要因」によって生じているそうです。
・亜種間の違い(遺伝的な違い)
・性別の違い
・年齢や換羽の状態
亜種間の違い
日本で繁殖するのは亜種ハクセキレイですが、冬鳥や旅鳥として別の亜種が渡って来ることがあります。
日本で観察されている主な亜種は以下の通りです。
▼ 亜種ハクセキレイ (Motacilla alba lugens)
日本で繁殖する亜種で過眼線があります。
・ オスの成鳥(夏羽):
背中がはっきりと黒くなります。
・ メスの成鳥:
灰色から黒みを帯びた灰色にとどまることが多いです。
数少ない冬鳥や旅鳥として日本の一部の地域で見られる亜種:
▼ 亜種タイリクハクセキレイ (Motacilla alba alba)
オスの夏羽でも背中が明るい灰色なのが特徴です。 過眼線が細いか、ほとんどありません。
▼ 亜種シベリアハクセキレイ (Motacilla alba baicalensis)
過眼線がなく、他の亜種に比べて翼の白さが目立ちます。オス・メスともに背中は一年中灰色です。
▼ 亜種ホオジロハクセキレイ (Motacilla alba leucopsis)
過眼線がなく顔が真っ白です。オスの夏羽は背が黒くなります。
▼ 亜種メンガタハクセキレイ (Motacilla alba personata)
目の周り、耳、喉、後頭部まで黒い羽で覆われ、 白い部分は額と目元だけという、仮面を被ったような模様をしています。オス・メスともに背中は灰色です。
▼ 亜種タイワンハクセキレイ (Motacilla alba formosana)
ハクセキレイと同様に過眼線がありますが、夏羽のオスでも背中が灰色です。 胸の黒い部分が喉の方まで広く、嘴の付け根あたりまで黒色が達していることが多いです。
性別による違い
同じ亜種ハクセキレイの中でも、オスとメスで色の出方が異なります。
・オス(成鳥・夏羽):
背中がムラのない綺麗な黒色になる場合が多いです。
・メス(成鳥):
背中が灰色の個体が大半ですが、メスでも黒みが強い個体がいます。
年齢と換羽(羽の生え替わり)の影響
亜種ハクセキレイの背中の羽の色は、年齢や季節によっても変化します。
・夏羽(繁殖期) :
オスは真っ黒になり、メスも黒くなる個体がいます。
・若鳥:
まだ成鳥になりきれていない個体は、オスであっても背中がグレーであることが多いです。
・成鳥:
換羽途中だと成鳥でも黒と灰色が混ざったように見えることがあります。
・冬羽(非繁殖期) :
夏は真っ黒だったオスも、冬になると少しグレーがかった色になります。
首の両側面に淡い黄色が混じり、くちばしが薄い色というのは、若鳥によく見られる特徴です。
背中は冬羽のグレーで、翼の一部に若鳥特有の茶色い羽が混じっている点からも、成鳥へと換羽する前の若い個体のようです。
まとめ
ハクセキレイの背中の色の違いは
①亜種間の違い
②性別の違い
③年齢や換羽の状態の違い
という3つの要素があることが分かりました。
黒い個体
成鳥オス(夏羽)、黒味が強いメス(夏羽)
グレーの個体
メス、若鳥、冬羽、別亜種
実際に田んぼや電線などで観察していると、次のような傾向があります。
・群れ全体がグレー(冬)
・黒い個体がよく鳴いている(春)
・黒い個体とグレーの個体が一緒に行動している(冬・春)
日本で繁殖する亜種ハクセキレイのオスは繁殖期に羽の色が変わりますが、行動にも明確な違いが出てきます。 こうした行動面と組み合わせて観察すると、見分けやすくなります。