巣作りからヒナの成長まで
この春から初夏にかけて、ペアの営巣・子育てを見守ることができました。繁殖の兆候が見られ始めたのは3月中旬頃です。 それまでは夕方にはねぐらへ帰っていた2羽が、19時を過ぎても帰らず、一緒に電線で過ごす姿をたびたび見かけるようになりました。
庭の枝が巣材に
3月17日、庭にやって来たペアの1羽が剪定して置いていた枝を見つけました。 枝を何本か確かめた後、気に入った1本をくわえて飛び去りました。
その後も何度も庭へやって来て枝を運び出し、巣作りを進めているようでした。4月10日になっても枝を運ぶ姿が見られ、まだ巣作りを続けていることがわかりました。
近くの雑木林あたりに巣があるのだろうと思っていたのですが、実際はなんと電柱でした。目につく場所でしたが、巣が完成するまでまったく気づきませんでした。 気づいたときには電柱に「営巣観察柱」の表示がすでに付けられていました。
幸いにも電力会社が安全上問題ないと判断したようです。
約20日間の抱卵
巣が完成すると、メスは抱卵を始めました。 抱卵期間は約20日間。その間、メスはほとんど巣の中で過ごし、卵を温め続けました。 オスは巣の近くで周囲を警戒しながらメスと卵を守り、エサを運んたりしていました。
時折メスは巣を離れ、近くの電線で羽繕いをしたり、翼や脚を伸ばしたりする姿が見られました。長時間同じ姿勢で抱卵しているため、体をほぐしているようでした。
巣を離れるのは1、2分。メスが離れている間はオスが巣の近くで卵を守っていました。
3羽のヒナが誕生
5月の初めに3羽のヒナが誕生しました。 孵化して数日はペアが巣の縁にとまり、一緒に中をのぞき込む様子などが見られました。生まれたばかりのヒナの様子を気にかけているようでした。
この日、電線にとまろうとしたドバトの群れに対し、親鳥が追い払う姿を目撃しました。この時期はまだヒナの姿をほとんど確認できませんでしたが、10日以上経過すると時折首を長く伸ばしてエサをねだるヒナの姿を確認できるようになりました。
ヒナが小さいうちはメスは巣にいる時間が長く、ヒナを温めながら世話をしていました。 その間、オスは何度もエサを運び、巣の近くで周囲を警戒していました。
ヒナが少し大きくなると、メスもエサ探しに出ました。それでも長く巣を空けることはなく、すぐに戻ってきました。メスが留守の間はオスが近くで見守っていることが多く、2羽が分担して子育てをしている様子が見られました。
5月中旬には30度を超える日が続きました。そんな日はカー子がヒナを覆い、強い日差しから守っていました。カー子自身は暑そうにくちばしを開けていましたが、それでもヒナから離れることはありませんでした。
ヒナたちは親鳥の気配がすると元気よく首を伸ばしてエサをねだっていました。長く首を伸ばせる2羽に比べると、1羽は体力差でいつも埋もれていましたが、親鳥からエサをもらえることはできていました。
5月末にはヒナたちはすっかりカラスらしい姿になり、巣から顔を出して親鳥がいる方向を見つめる姿がよく見られるようになりました。
次回はいよいよ巣立ち編。カラスにとって巣立ちは大きな試練です。その行方を見守っていきます。

