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2026年3月24日火曜日

ヒドリガモとホシハジロ、似ている二種を写真で比較【見分け方】

ホシハジロのオス(左)とヒドリガモのオス(右)の後ろ姿の比較画像。頭部の色や背中の羽色の違いがわかる野鳥識別写真。撮影者:筆者自身

冬の川でよく見かけるカモたち。 その中でも今回取り上げるのは、遠目だとよく似ていて紛らわしい次の2種:

 ヒドリガモ
 ホシハジロ

この2種類のカモ、近距離では識別しやすいものの、遠目だとよく似ているので、識別のポイントを押さえておくと、ぐっと見分けやすくなります。


同じ川で出会った2種類のカモ



先日、自宅から少し離れた川沿いをゆっくり歩きながら野鳥観察をしました。 最初に出会ったのは、ホシハジロの群れ。 頭部が赤褐色のカモたちがまとまって泳いでいました。

2026年2月26日撮影:川岸から少し離れた場所でまとまって休憩するホシハジロの群れ。①2026年2月26日撮影

そのまま川沿いを歩いていると、またホシハジロの小群に出会いました。今日はホシハジロが多いなと思いながら観察を続けていると、群れから少し離れたところにまた赤褐色の頭部が目立つカモの小群が泳いでいました。

2026年2月26日撮影:川岸から少し離れた水面を分散して泳ぐヒドリガモの群れ。②2026年2月26日撮影

遠くから見たときは、 ホシハジロの群れが途切れ途切れに泳いでいて、手前の群れと少し離れた群れを同じ集団だと思っていました。その後、近づいて見てみると、別のカモの群れだと分かりました。

その群れはヒドリガモの群れでした。


混ざっていない、それぞれの群れ(2月下旬)



この日の観察で分かったことは、ヒドリガモとホシハジロは互いに混ざることなく、別々の群れで泳いでいたということです。遠くから見ると外見が似ており、 気づかないうちにホシハジロのいるエリアからヒドリガモのいるエリアに移動していたのです。

2026年2月26日撮影:川で泳ぐヒドリガモの群れ。③2026年2月26日撮影
ヒドリガモの群れ

2026年2月26日撮影:川面を泳ぐホシハジロの群れ。確認できる範囲でオス16羽、メス2羽とオスが大半を占める構成。④2026年2月26日撮影
ホシハジロの群れ
オスが多い群れ


再訪して分かった変化(3月下旬)



約1か月ぶりに同じ場所を訪れて観察してみると、前回とは少し違った様子が見られました。

まず、どちらも数が減っており、群れの規模は前回の半数以下になっていました。

そしてもうひとつの大きな変化は、これまで明確に分かれていた群れに、わずかながら混ざりが見られたことです。 ヒドリガモホシハジロのほかにキンクロハジロが新たに加わり、一部で一緒に泳いでいるのを確認しました。

とはいえ、全体としては依然としてそれぞれの種ごとにまとまっている群れの方が多く、基本的には種ごとの集団行動が保たれている印象です。

このことから、カモ類は状況によってある程度ゆるく混ざることはあるものの、基本的には同種でまとまる傾向が強いと感じました。

2026年3月23日撮影:川面を一緒に泳ぐヒドリガモとホシハジロ。⑤2026年3月23日撮影
ヒドリガモとホシハジロ

2026年3月23日撮影:川岸に近い場所で一緒に泳いでいたホシハジロとキンクロハジロ⑥2026年3月23日撮影
ホシハジロとキンクロハジロ



ヒドリガモの特徴



2026年2月26日撮影:ヒドリガモのペア。頭部から尾羽までを真横から捉えた横顔のメスと、振り向き姿のオス。⑦2026年2月26日撮影



 オスの特徴 



頭部は赤褐色で額から頭頂にかけてクリーム色の部分があり、胸は淡赤褐色、体の上面は灰色で脇腹に白い部分があり、お尻は黒い羽が目立ちます。くちばしは明るい灰色で先端のみが黒色。

※見る角度や光の当たり方で、頭部の赤褐色部分が薄く見えたり、全体の色が違って見えたりします。

2026年2月26日撮影:川を泳ぐヒドリガモのオス。クリーム色の額と全身の羽の色合いがわかる真横から捉えた写真。⑧2026年2月26日撮影



メスの特徴 



全体的に茶色で、体の上面には黒褐色の斑が入り、頭部の色は首より少し濃く見えます。くちばしは明るい灰色で先端のみが黒色。

2026年2月26日撮影:並んで泳ぐヒドリガモのメスとオス。頭部から尾羽までを真横から捉えた写真。⑨2026年2月26日撮影

2026年2月26日撮影:並んで泳ぐヒドリガモのペア(つがいのメスとオス)の後ろ姿。⑩2026年2月26日撮影
後ろ姿

2026年2月26日撮影:並んで泳ぐヒドリガモのペア(番)、頭部から尾羽までを真横から捉えた写真。⑪2026年2月26日撮影
横顔



ホシハジロの特徴



2026年2月26日撮影:川面をゆるく分散して泳ぐホシハジロの群れ。⑫2026年2月26日撮影




オスの特徴 



頭部はヒドリガモに似た赤褐色で、胸部とお尻付近は黒色、体の上面は明るい灰色をしています。目の色は赤色。くちばしは中心部が明るい灰色で付け根と先端が黒色をしています。

2026年2月26日撮影:背を向けた状態から振り向くホシハジロのオス。特徴的な赤い目がはっきり確認できるアップの写真。⑬2026年2月26日撮影

2026年3月23日撮影:川を泳ぐホシハジロのオス2羽。頭部から尾羽までを真横から捉えた個体と、前を向いた個体。⑭2026年3月23日撮影



メスの特徴 



頭部と腹部はこげ茶色で濃淡があり、体の上面は灰色がかった茶色をしています。目の色はこげ茶色で、目の周りに白い線があります。くちばしは中心部が明るい灰色で、付け根と先端が黒色をしています。

2026年2月26日撮影:川を泳ぐホシハジロのメスの写真。目の周りの白いラインがはっきり確認できる。⑮2026年2月26日撮影

2026年3月23日撮影:川を泳いでいるホシハジロのメスの振り向き姿。頭部から尾羽までを真横から捉えた写真。⑯2026年3月23日撮影

2026年3月23日撮影:ホシハジロのメスの正面写真。特徴的な広いクチバシの形とその色合いがわかるアップ。⑰2026年3月23日撮影




見分け方



2種のオス同士の識別は、距離がある場合は頭頂部と胸部の色を確認するのが一番分かりやすいです。

後ろ姿は少し紛らわしいですが、ヒドリガモのオスは背中や腹に濃淡があり、グラデーションのある見え方をします。一方ホシハジロのオスは背中がほぼ均一な灰色で尾の付け根まわりだけが黒く見え、色の区切りがはっきりしています。


オスの場合
 
額から頭頂部

ヒドリガモのオス:クリーム色
ホシハジロのオス:頭部全体が赤褐色

胸部の色
ヒドリガモのオス:淡赤褐色
ホシハジロのオス:黒色

後ろ姿

ヒドリガモのオス:背中や腹部に濃淡がある
ホシハジロのオス:背中がほぼ均一な灰色で尾羽の付け根まわり(上尾筒・下尾筒)だけ黒い

ホシハジロのオスは赤い目が特徴的ですが、距離があると頭部の色と同化して確認しにくい場合があります。赤い目は近距離でのチェックポイントとして意識すると良さそうです。



ヒドリガモとホシハジロのオスの比較。頭部から尾羽までを真横から捉えた近影写真の対比。頭部の色、目の色、クチバシの形状や配色の違いが確認できる。撮影:筆者自身
左:ヒドリガモ
右:ホシハジロ


ヒドリガモとホシハジロのオスの比較。背を向けて泳いでいる後ろ姿の近影写真の対比。後ろから見た背中の羽や腰、尾の周りの配色の違いが確認できる。撮影:筆者自身
左:ホシハジロ
右:ヒドリガモ


メス同士は色合いがよく似ているため、羽の色の違いで見分けるのは難易度が高めです。ホシハジロのメスはヒドリガモのメスに比べて背中の羽が淡く見えることが多いものの、個体差が大きく、茶色みが強く出る個体もいるため、羽色だけでの識別は決め手に欠けます。

また、くちばしの配色の違いは決定的ですが、距離があると確認しづらい場合もあります。

観察していて分かりやすかったのは、くちばしの形の違いです。


メスの場合

 くちばしの形

ホシハジロのメス:くちばしの幅が広く大きい
ヒドリガモのメス:ホシハジロに比べてコンパクト

ホシハジロのメスは正面から見ると馬っぽい感じがします。くちばしの形の違いは距離が離れている場合でも比較的気付きやすく、メス同士の識別に役立つポイントだと思います。



川面を泳いでいるヒドリガモとホシハジロのメスの比較。頭部から尾羽までを真横から捉えた近影写真の対比。横顔、クチバシの形状や配色の違い、全体の羽の色合いが確認できる。撮影:筆者自身
左:ヒドリガモ
右:ホシハジロ


川面を泳いでいるヒドリガモとホシハジロのメスの比較。正面から捉えた近影写真の対比。クチバシの大きさ、色合い、形状の違いが確認できる。撮影:筆者自身
左:ヒドリガモ
右:ホシハジロ





3月下旬の観察では、これまで種ごとにまとまっていたカモたちが、一部で混ざって泳ぐ様子も確認できました。

識別の際は、群れをよく観察し、種ごとの特徴を丁寧に見ていくことが大切だと感じました。

2026年2月26日撮影:少し離れた位置から捉えたヒドリガモの群れ。口を水面に沿わせて採餌中の個体も確認できる。⑱2026年2月26日撮影
ヒドリガモの群れ
オスとメス

2026年2月26日撮影:少し離れた位置から捉えたホシハジロの群れ。羽繕い中のメスや、背中に頭を埋めて休息中のオスの姿が確認できる。⑲2026年2月26日撮影
ホシハジロのオスとメス

2026年2月26日撮影:浅瀬で休息するヒドリガモの群れ。⑳2026年2月26日撮影
ヒドリガモの群れ

2026年2月26日撮影:泳いでいる個体と、背中に頭を埋めて休息中の個体が混在するホシハジロの群れ。㉑2026年2月26日撮影
ホシハジロの群れ