はじめに
「野鳥のクチバシのお手入れ」シリーズでは、これまでにアオサギとハシボソガラスのケースを紹介しました。
第3弾は悠々と空を舞う姿でおなじみのトビを取り上げます。
2025年秋から自宅付近の電柱を定点観察する中で、羽の模様や体つき、仕草や行動の癖などを見比べることで、自宅から一番近い2本の電柱(電柱A・B)に現れる個体はほぼ常連ペアのどちらかであることが分かってきました。
今回紹介するのは常連ペアのメス、トビ子の観察記録です。
電柱のてっぺんの金具を使う
トビのクチバシのメンテナンスで特によく見かけるのは、電柱のてっぺんから突き出している金具を利用する方法です。
電柱のてっぺんにとまった状態で金具にクチバシを当てたり、軽く噛むような動作を繰り返したりします。
噛むだけでなく、クチバシの先端や側面を金具に沿わせるようにして、くるくると動かすような仕草も見られました。
くるくる動かすトビ子
別の日の観察でも同様の行動が見られました。こうした動作は4回程度で終わることが多く、採餌前後に効率よく手入れしている様子がうかがえます。
電柱のてっぺんの縁(ふち)に当てる
別の日の観察では電柱のてっぺんの縁にクチバシを当てる行動も見られました。
ちょうど円柱の縁にあたる部分にクチバシを垂直に押し当てるような形でした。
この行動は第1弾で紹介したアオサギのお手入れ方法に似ていますが、クチバシを当てていた位置がよく見えず、蔦を利用していたのか、電柱の縁に直接当てていたのかはっきり確認できませんでした。
蔦を利用していた可能性と、電柱の素材そのものを使っていた可能性の両方が考えられます。
電線カバーをつつく
さらにもう一つ確認できたのが、ハシボソガラスと同様の方法です。 電線の端に取り付けられている筒状のカバーをクチバシでツンツンとつつく動作をしていました。
硬すぎず、適度な弾力のある素材はクチバシのメンテナンスにちょうどよいのかもしれません。
このときも数回つついて終わりました。
まとめ
トビのクチバシのお手入れ方法は以下の3パターンが確認できました。
・電柱てっぺんの金具を使う
・電柱てっぺんの縁に当てる
・電線カバーをつつく
中でも電柱てっぺんの金具を使った方法は頻繁に目撃するので、彼らにとって定番のお手入れ方法である可能性が高そうです。
人工物をうまく利用しながら、日々クチバシの状態を整えているトビ。 継続して同じ個体を観察することで、こうしたルーティンのようなものが見えてくる点も、定点観察の面白さの一つだと感じています。








