夕方、自宅周辺の田んぼを見に行くと複数のシギが来ていました。九州北部では秋の渡りが本格化しています。
①タカブシギ
8月以降、この田んぼに観察に行くと、必ずと言っていいほどいるタカブシギ。このときは群れではなく単独でした。
今回の観察ではタカブシギが他のシギたちの大きさを比較するうえで「物差し」になりました。
タカブシギの識別ポイントは緑がかった黄色い脚、目の後ろまで伸びる眉斑、体上面の明瞭な白斑など、過去記事で詳しくとりあげています。
②エリマキシギ
エリマキシギによく似た鳥として名前があがるウズラシギは、タカブシギとほぼ同じぐらいの大きさですが、この個体はタカブシギよりもかなり大きく、エリマキシギの特徴(長い首、上面は黒褐色の軸斑に黄褐色の羽縁が組み合わさった鱗模様)と一致します。
エリマキシギは雌雄や季節によって姿が大きく異なるため、特徴的な襟のような飾り羽がない非繁殖期には、名前から想像する姿とは違います。今回の個体もそのような個体で、褐色を基調とした羽色でした。
③キリアイ
キリアイはタカブシギより小さく、トウネンやヒバリシギより大きい(※個体差あり)小型のシギです。今回の観察では、5種のシギが同じ場所で採餌していたので大きさを比較できました。
識別ポイントは大きさと頭部の模様です。頭部は黒褐色(頭央線と頭側線)、白、赤褐色(過眼線)が組み合わさった縦縞模様がはっきりと確認でき、白い眉斑も目立ちました。嘴は太く長めで、先端が少し内に曲がっているように見えます。
④ヒバリシギ
ヒバリシギはトウネンとほぼ同じ大きさです。両種の識別でまず確認したい識別ポイントは脚の色です。 トウネンの脚が黒いのに対し、ヒバリシギの脚は(やや緑がかった)黄色です。
頭部は茶褐色のまだら模様で、目の上には白い眉斑が見られます。夏羽では体の上面に黒褐色の軸斑があり、白色と赤褐色の羽縁と組み合わさって鱗模様に見えます。
胸から脇にかけては淡い橙色を帯び、褐色の斑点が見られます。嘴は短めで黒色をしています。 また、夏羽では背にV字形の白線が見られます。 冬羽になると全体的に茶褐色味が少なくなります。今回観察した個体にはまだ夏羽の特徴が残っていました。
⑤トウネン
トウネンはヒバリシギによく似た小型のシギです。識別ポイントは黒い脚とずんぐりした体型です。
夏羽では背中、顔から喉、胸が赤味のある褐色で、黒褐色の軸斑が目立ちます。冬羽では頭から背にかけて灰褐色となり、夏羽で目立っていた黒褐色の軸斑は細く退色してあまり目立たなくなります。
今回の観察ではタカブシギ、エリマキシギ、キリアイ、ヒバリシギ、トウネンを見比べることができました。
日本の野鳥専門サイトではヒバリシギは全長14.5cm、トウネンは15cmとしているものが多いですが、資料によっては両種とも13~16cmと記載しているものもあります。
キリアイについては17cmとしているものが多いですが、海外のいくつかの専門サイト(香港バードウォッチング協会の「The Avifauna of Hong Kong」など)では16~18cmと記載されています。
全体の傾向としては、キリアイはトウネンやヒバリシギより大きなシギですが、ヒバリシギやトウネンの大柄な個体と、キリアイの小柄な個体とでは体長にほとんど差がない場合があるようです。
今回の観察では大きい順に、
エリマキシギ > タカブシギ > キリアイ > トウネン・ヒバリシギ でした。
秋の渡りが本格化し、自宅周辺にもさまざまな野鳥たちが立ち寄り始めました。これからの出会いにも期待が膨らみます。
